こんにちは。
今回は私も現在勤めている「SES企業」についての記事です。
就職活動している方々や仕事について情報を集めている方々は
SESについてこんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
絶対やめておけ!
そうなんです、、
SESはネット上の評判がめちゃくちゃ悪いんです、、
さらに問題なのが、書いてあることにほとんど間違いがなく、
実際にSESの現場で問題になっていることだということです。
もし既にSES企業に就職が決まっていたり、
これからSESに就職しようか迷っている人達は、
「本当にこんな会社に入って大丈夫なのか、、?」
と心配になっているかと思います。
しかし、私の意見としては確かにブラックなSES企業は存在していますが、
そういった会社を正しく見分けることが出来れば、
SESに入社するのは決して間違った選択肢にはならないと感じています。
そこで今回は
「こんな会社には気をつけろ!やばいSES企業に入社しないための傾向と対策3選!」
を現役インフラエンジニア歴10年の私がご紹介したいと思います!
- 既にSES企業に就職が決まっている人
- 転職先としてSESを候補に入れている人
- 現在SES企業で働いている人
今回の記事を通じて、悪いSES企業を選ぶ基準が出来たら幸いです。
それではさっそくいってみましょう!
そもそもSESって何?
まずはSESという業態について説明します。
※
今回は派遣契約に限った話をします。
細かい話をすると準委任契約だと技術支援をするだけですが、
ややこしくなりますし、多くの方が派遣契約で働くことになるかと思いますので、
省略します。
SESとはシステムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)の頭文字をとったものです。
主にSIer(システムインテグレーター)と呼ばれるネットワークシステムの設計~運用を受け持つ企業に対してエンジニアを派遣する業態のことを指します。
イメージとしては以下の図のような形になります。
顧客からの要望に対し、SIer企業が専用のチームを作ります。
SES企業はSIer企業の中でチームの一員として一緒に働けるエンジニアを派遣し、
SIer企業のチーム作りを支援するのが大きな役割の一つです。

このとき重要なのがSES企業に就職すると、雇用契約自体はSES企業としているのですが、
実際に働く場所はSIerの会社になるということです。
SES企業のオフィスは結構きれいな場所にあったりして見栄えがいいことが多いのですが、
実はあなたがそこで働くことは基本的にありません。
SESは正社員登用であったとしても実態は派遣社員のような働き方になります。
こういった事情から様々な問題が生じてしまうのです!
こんな会社には気をつけろ!その①:環境の悪い現場に配属させられる。
それでは気を付けなればならないSES企業の特徴を紹介していきましょう。
まずはSESがよくないと言われる最も大きなの原因の一つである、
派遣先の環境の話です。
先ほどもお伝えしたように、SES企業に就職するとその企業で働くのではなく、
SIer企業に派遣されることになるのですが、
そこで以下のような問題のある現場に派遣される可能性があります。
簡単な仕事しかやらせてくれない

SIer企業から見ると、SES企業から来た社員は派遣社員という扱いになります。
多くの企業では難しい仕事はSIer企業の人間が担当し、
派遣社員には比較的簡単な雑務に近い仕事を任せるような形となってしまいます。
SIer企業として業務の効率化につながるのですが、
実際に働く身になるとキャリアアップすることが出来ず、
給与も上がらなければ転職に必要なスキルも身につかないといった問題があります。
「未経験だけどここから巻き返してやる!!」と入社してきて、
業務が簡単すぎて辟易し、いずれやる気を失っていくのはSESあるあるです。
SIer企業の社員から差別的な扱いを受けることがある

SIer企業に勤める人からすると「派遣社員=自分達より下の人間」という考え方を持っている人もいます。
(こういう人は残念ながら本当にいます。)
こういった考えから派遣社員に対してあたりがきつかったり、
ひどい人だと「こっちは金を払ってるんだから何でもやれよ!!」みたいなことを言ってくる人すらいます。(実話です、、)
今は大分コンプライアンスが厳しくなったので、
ほんと一部の人だけですけどねー、、
ただ大手の会社ほど昔気質な人ってまだまだいっぱいいるのが現状です。
もちろん全ての現場がこのような問題があるわけではありません。
ですが、配属になる前に相手企業の細かい問題や上長となる人の人間性を把握することは難しいため、こういった問題に直面する可能性は十分にあります。
こういったことからSESは
- 「現場ガチャ」
- 「外れ現場に当たったらマジで地獄」
と言われてしまうのです。
対策①:企業のHPから「主要取引先」を確認する。
この問題についてはなるべく事前に避ける方法があります。
まず一つ目は自分が就職するか迷っている企業のHPを検索し、そこから「主要取引先」を確認しましょう。
大手SIerとの取引が多いければ先ほどの問題が発生する可能性がグッと減ります。
基本的に大手のSIerはコンプライアンスが厳しく、
かつ派遣社員を多く抱えています。
そういった企業であればあるほど、
簡単な仕事しか出来なかったり、派遣社員だからと言って不当な扱いをする現場がかなり減ります。
(大手であればあるほど、派遣社員無しでは業務が回らないので、
派遣社員の立場が優位になります。)
逆に「主要取引先」の企業が知らない会社ばかりだったり、
そもそも「主要取引先」の記載がない会社は要注意となります。
大手のSIer企業には例えば以下があります。
- 大手3大キャリア(KDDI/ソフトバンク/NTT)
- 野村総合研究所
- ユニデックス株式会社
などなど
対策②:主に「何次請け」の案件が多いかを確認する。
大手SIer企業の現場に配属されたとしてもまだまだ油断出来ません。
なぜならいくら大手SIer企業の現場だったとしてもその現場にどんな人がいて、
その現場が現在どんな状況なのかはその時の運次第になってしまうからです。
しかしSESの場合、良くも悪くも派遣社員であるため、SES企業の営業からSIer企業に対して改善要望を出してもらったり、
改善されない場合は現場交代という形でその会社を離れることも可能です。
つまり正社員と派遣社員のいいとこ取りが出来るという訳です!
ただこういった要望を通せるかどうかは自身が所属している企業の立ち位置によっても大きく左右されます。
これは「IT業界の多重下請け構造」というものが大きく関係してきます。
・出典
サイト名:@IT
記事名:多重下請け構造であえいでいるエンジニアが知っておきたいIT業界の仕組み
URL:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1810/09/news005.html

上の図をご覧ください。
元請けというのが顧客から直接案件を受注したSIer企業です。
元請け企業がSES企業に対して「チームを作りたいのでエンジニアを派遣してください!」と依頼します。
このように元請けから依頼をもらってエンジニアを派遣している企業を「二次請け」と言います。
ここまでで完結することももちろんあるのですが、
二次請けの会社にリソースがなかった場合、更に下請けの会社にエンジニア派遣を依頼することになります。
これが「IT業界の多重下請け構造」と呼ばれるものの正体です。
つまり、あなたが就職する企業がこのピラミッドの下であればあるほど、
立場が弱く元請け企業に物を言いずらい立場になってしまうということです。
あなたが就職する企業が元請けもしくは2次請けくらいであれば、
顧客に対する業務改善を依頼したり現場移動させてくれる営業力は十分にあると思います!
こんな会社には気をつけろ!その②:待機期間中に給与を減らされる。
「待機期間」とは派遣された現場との契約が完了し、
次の現場に配属されるまでの空白期間のことです。
通常は待機期間がないように営業が調整をするのですが、
色々な兼ね合いでこういったことが起こる可能性もあります。
当然その期間中はそのエンジニアの売り上げは「0」となるのですが、
その期間中の給与を減らされてしまう会社があるのです!
筆者が就活していた時の会社では待機期間中の給与は80%だったり、
ひどい会社だと50%になってしまうところもありました!
もちろんそんな会社は絶対嫌だと思い、
その会社には入社しませんでした。
対策:事前に必ず確認する!
当然のことですが、
その会社に入社する前に必ず確認するようにしましょう。
聞けるのであれば面接で直接聞く、
聞きづらければ転職サイトの社員の口コミなどを確認すれば必ず出てきます。
とにかく給与が減るのに、なんとなくで入社しては絶対ダメです。
待機期間中の給与の支払いが100%の会社も沢山あります!
ちなみに筆者が働く会社は待機期間中も給与を100%給与を支給してくれます。
内定がもらえそうだからと言って妥協しては決していけません!
こんな会社には気をつけろ!その③:給与が上がらない。

SES企業は未経験でも入社しやすいジャンルだと思います。
実際就職サイトを見ると、未経験歓迎の求人を多数見かけると思います。
なぜなのか。
理由は簡単。「未経験の方が単価を低く抑えながら、SIerに売り出せるから」です。
単価とはSIerがエンジニアを派遣してもらうのに必要なお金です。
当然SIerも低い単価でエンジニアを派遣してもらうのがコスパがいいのです。
こういった事情から低い単価でエンジニアを派遣しているため、
給与が上がりずらいという問題もあります。
対策:転職する。
経験者採用の際に最も重要になる要素とはなんでしょうか。
それはエンジニアとして働いた実務経験です。
もしあなたが理系でそこそこの学歴があるなら新卒から大手SIerに就職することが可能でしょうが、
そうでない場合、大手企業に就職するための武器となるのが実務経験です。
ですので、自身に学歴がないけどこれからステップアップしたいという人は、
まずはキャリアアップ出来るような優良なSES企業で実務経験を積んで、
そのあと大手SIer企業に就職するという手は大いにありかと思います。
もちろん、資格取得も転職の手助けになりますが、
なにより実務経験というのは大きな武器になり得ます!
優良なSES企業に就職出来れば、
必ずステップアップの道は見えてくると思います!
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事で筆者が伝えたかったことは以下です。
- 優良なSES企業を選ぶためには、
下調べや面接時の確認は不可欠。 - 優良なSES企業を選ぶことが出来ればキャリアアップにつながる可能性は十分ある!
色々悪く言われがちなSESですが、上手く使えばキャリアアップに繋がる可能性は十分秘めていると思います。
私の会社の人もSESからCiscoに入社したり、大手SIerに就職した人も沢山いました。
SESは上手く使えばキャリアアップにつながる可能性を十分に秘めている業態だと思います!
SESに行くからと落胆するのではなく、
まずはキャリアアップを目指して自分自身を高める努力をしてみるのが一番大事です!